前回はこちら【愛猫の闘病記録4】気になる胸水内細胞の検査結果/猫の癌・悪性腫瘍・腫瘍性胸水
夢真の余命が2週間、長くても1ヶ月と宣告されました。
ショックのあまり頭が真っ白になりかけましたが、夢真のために今できること、今後の治療方針を決めなくてはなりませんでした。
夢真の場合MRIで腫瘍を見つけたからといってそれを外科手術で取り除いても血液を伝って、全身にがん細胞が行き渡っているためあまり改善が見込めないこと、そしてMRI検査自体が全身麻酔を使っての撮影になるためそれ自体が大きな負担とリスクになることを踏まえてMRI検査も外科手術もしないことに決めました。
そうなると抗がん剤治療になります。
抗がん剤を投与して腫瘍の成長を抑える、あわよくば小さくなってくれることを期待します。
この日は胸水抜去と血液検査、そして血液検査で数値に問題がなかったため、早速抗がん剤の投与をしていただきました。
この日溜まっていた胸水は両胸合わせて230cc
体重は6.7kgでした。体重は前回が6.2kgだったため少し戻せてたのには少し安心しました。
筆者は一人暮らしですが実家が割と近く、この日は母親が同行してくれていました。
診察室では治療方針を先生と話し合って決めなくてはならなかったためなんとか堪えていた涙ですが、待合室に戻ってからは耐えられませんでした。
母親に財布を預けてお会計を任せ、車に戻り、いつぶりかわからないほど声を上げて大号泣しました。
正直、この日の記憶はそれ以外あまり覚えていません。ショックが本当に大きかったからだと思います。
帰宅後、胸水がなくなって調子が戻ったのか食欲ももりもり、家の中のパトロールもするし、高いところにも登るしで余命2週間だとは信じられないほど以前と変わらない様子でした。
表情も胸水が溜まるとどこか遠くを見ているような、どこも見ていないような虚な感じだったのですが、光が戻りいつも通り可愛いゆまちがそこにいました。
抗がん剤の副作用には下痢、吐き気、それによる食欲不振、抜け毛(動物は抜け毛の副作用が出る子は多くないそうです)などがあるのですが抗がん剤投与からしばらく経っても夢真にはそういった症状は見られませんでした。
ただ、見えないだけにいつ夢真の命が尽きてしまうのか、とか、抗がん剤の副作用がいつ出てもおかしくないと言った不安は日常に常に付き纏っていました。
夢真に投与してもらった抗がん剤は3週間ごとに1回、病院で投与してもらうタイプの抗がん剤です。
この抗がん剤の副作用が出る場合は5〜10日くらいで出る子は出る、そして他の多くの抗がん剤は投与から1週間ほどで白血球の数がグンと下がるのが通常ですが、夢真の投与した抗がん剤はそうではなく、いつそうなるかは決まった周期がないらしいです。
夢真が病気になってからは残業もせず、仕事が終わったら極力まっすぐ家に帰り(食料品や日用品などの最低限の買い物はしますが)、手を洗ったらまず夢真に薬を飲ませてカリカリご飯を食べなくなったのでそのまま夜ご飯をあげる、それが終わったら柚夢のご飯の準備をしながら自分のご飯も作る。と言った生活パターンに切り替わりました。
筆者は週に2回ほど仕事帰りにスポーツセンターで筋トレと有酸素運動をしたり、昔から好きなバンドがいたので日帰りできる会場のライブチケットが取れればライブに行ったりといった生活でしたが、そういったことも夢真を病院に連れて行った日を境に一切やらなくなりました。
だからと言って我慢しているという感覚は今のところ一切なく、自分の行きたい、やりたいよりもできるだけ夢真の側にいて安心させたい、自分も安心したいという思いが強いです。
今までとは違い、自宅と会社と動物病院ばかりの日常が始まりました。