手術が無事に終わったという連絡が病院から入りました。
電話は昼過ぎに入りましたが、その後の様子見のために夜までは病院にいることになった夢真。
約束の時間になったので夢真を迎えに動物病院へ行きました。
改めて手術は無事に終わったことを報告され、現状について説明を受けました。
今日は手術のために麻酔をかけてしっかり眠ってもらったので、いつもより詳しく状態を診ることが出来ました。
それでなんですが…
エコーで確認できただけで肺の表面に3つの腫瘍がありました。
それから、左肺の腫瘍が破裂していて肺に穴が空いてしまっている状態です。
息をすれば肺に空気が入ってきますので、その穴から胸腔内に空気が漏れて左胸の胸腔内に空気が溜まっている状態になっています。これを気胸と言うのですが、今その状態です。
腫瘍が、破裂…?肺に穴…?
胸腔内に溜まる空気は息をすればどんどん溜まってしまうため、溜まるスピードも胸水とは比べ物にならないほど早いとか。。。
それで以前に比べてあっという間に苦しそうになっていたようです。
そして胸腔内に溜まるのは水よりも空気が先に溜まってしまいます。
胸腔内が空気でいっぱいになってしまうと、今まで溜まっていた水の行き場が胸になくなります。そうなるとどうなるかと言いますと、その水はお腹に逃げて溜まるようになり、腹水貯留ということになります。
今の夢真ちゃんがこの状態です。
お腹がパンパンに張っていたのも、やはり腹水が溜まっていました。
胸水だけではなく腹水まで。。。
正直言葉が見つかりませんでした。今までずっと胸の息苦しさに耐えてきたであろう夢真。それが胸だけでなく、今度はお腹まで苦しくなっている。
先生に言われる前はむしろ便秘であってくれとさえ願っていましたが、その願いも虚しく。
返す言葉もなくただ話を聞くことしかできない筆者に先生は続けました。
腹水につきましては、今回手術のついでに一緒に抜いておきました。
それから、腹水は溜まったら抜かなくてはいけないことには変わりせんが、胸水に比べると緊急性が低いのでそこまで慌てなくても大丈夫です。
そして左肺の空気は、今後破裂した腫瘍がもしかしたら癒着するかもしれません。
そうなった場合は穴が塞がることになりますので、空気は溜まらずにまた胸水が溜まるようになります。
胸に胸水が溜まるようになるので、お腹にも水が溜まらなくなります。
もういいのか悪いのか。
いや、最悪の状況なんだろうなとなんとなく感じました。
手術の成功は良かったものの、現状を聞いて素直に喜ぶこともできず、本当に言葉が出てきません。
先生の話をただ、はい、はい。と理解しようと聞いているだけの状態です。
その後、麻酔から覚めた夢真が看護師さんに抱っこされて診察台へ運ばれてきました。
去勢手術以来に見るエリザベスカラー。お腹の辺りには包帯が巻かれ、胴体にはネットが被せられていました。
そして両側の脇腹からは透明のチューブ。
麻酔のせいか、手術の疲れからか、はたまた病状が進んでいるせいかはわかりませんが暴れるような元気はありませんでした。
病院では手がつけられない程に暴れていたのが嘘のように大人しい夢真を看護師さんが支えながら、先生から実際に自宅で胸水の抜き方を丁寧に教えていただきました。
忘れたり、間違えたりしたら怖いなと思い、作業をする手元だけでも動画で撮影してもいいかという筆者の申し出にも快く承諾してくださり、とても助かりました。
そして帰宅
帰宅してからは、今日は疲れてるからゆっくり寝るだろうと思いきや慣れないエリザベスカラーと、しんどい体で一生懸命自宅パトロールをしていました。
いつもと違う、病院や消毒液などの嗅ぎ慣れない臭いを纏い、エリザベスやネットでいつもと違う姿の夢真を見て柚夢は謎の大興奮。
あまりにも夢真を追いかけ回そうとするので夢真を隔離しようとしても、パトロールがしたくてエリザベスをいろいろなところにぶつけながら歩き回る夢真。
どっちからも目も体も離せない状況でした。
そんな状況が数時間続き、終わりが見えなくなった頃、先生の言葉を思い出しました。
エリザベスカラーは、1週間はつけておきましょう。
でも、見ていられる時は外しても大丈夫です。
寝る時や、お風呂に入るときのように見れない時は絶対につけてください。
チューブが気になって万が一、いじったりして穴が空いたり取れたりしてしまってはそれこそ胸腔内に空気が入り放題になってしまいます。
そう。見てられる時は外して良いとのことでした。
術後の疲れた体な上に、視界がグッと狭くなるエリザベスカラーまで付けられて夢真はきっといつも以上に不安で落ち着かないんだろうな。と思った筆者はつきっきりで夢真を監視することを決め、エリザベスカラーを一時的に外すことにしたのでした。